一般的なケガは自然に治るのに、何故あなたの悩みは頑張っても解消しないのか?

脳の防衛本能「心理的免疫システム」の誤作動

体には、ウイルスなどの外敵が入ってくると熱を出して戦う「免疫システム」があります。
実は、心(脳)にもこれと同じ機能が備わっています。

「心理的ホメオスタシス(恒常性維持機能)」です。

通常、これは「いつもの自分」を保つための大切な機能です。
しかし、悩みを抱えている状態において、この機能が「致命的なエラー」を起こすことがあります。

もし、あなたの潜在意識が「今の苦しい状態=通常(安全)」と誤認していたらどうなるでしょうか?

あなたが「変わりたい!」「幸せになりたい!」と頑張って行動すること自体が、脳にとっては「異常事態(ウイルス侵入)」と判断されてしまうのです。

その結果、脳は全力で免疫を作動させ、あなたを元の「苦しい状態」に引き戻そうとします。

「良かれと思ってやった努力が、すべて逆効果になる」

これが、頑張るほどに空回りし、状況が悪化していく現象の正体です。
あなたは自分でブレーキを踏んでいるつもりはありませんが、脳の自動システムが勝手に急ブレーキをかけているのです。

これは「自己免疫疾患(自分の免疫が自分の体を攻撃する病気)」のメンタル版と言えます。
この状態では、気合や根性で頑張れば頑張るほど、心は疲弊し、壊れていきます。

「問題を作り出した意識レベル」では、問題を解決できない

当サイトを読まれている方の中には、こんな経験があるはずです。

  • あと一歩というところで、なぜか自滅してしまう。
  • 環境を変えても、結局同じようなパターンの人間関係に陥る。

これは偶然ではありません。
ノーベル物理学者、アインシュタインはこう言いました。

「いかなる問題も、それを創りだしたのと同じ意識レベルでは解決することができない」

これを脳の仕組みに置き換えると、こういうことです。
「バグ(不具合)のあるOS(基本ソフト)を使っている限り、どんなにアプリ(行動)を変えてもバグは直らない」

悩みには「階層」があります。

悩みの階層

表面的な悩み(階層3)を解決しようとして、本を読んだりセミナーに行ったりしても、それは「対処療法」に過ぎません。
その悩みを生産し続けている工場(階層1・2)が稼働している限り、悩みは形を変えて何度でも現れます。

「内側」と「外側」の連動メカニズム

1.自分の中で繰り返す悩み(内側の意識モデル)

「雑草の葉っぱをむしっても、根っこが残っていればまた生えてくる」
これは誰でも知っている理屈です。

しかし、多くの人は心に対してこれをやってしまいます。
「不安だからアファメーションをする」「自信がないから資格を取る」。これは葉っぱをむしる行為です。

根っこ(階層1)にある「自分には価値がない」というプログラムを書き換えない限り、どんな資格を取っても自信はつきません。

2.他人や環境が引き起こす悩み(外側の意識モデル)

「なぜ、いつもダメンズばかり引き寄せるのか?」
「なぜ、いつも高圧的な上司に当たるのか?」

これは、あなたの潜在意識にある「成功パターン(生存戦略)」が誤作動しているからです。

例えば、子供の頃に「親の機嫌を取ることで生き延びた」という成功体験がある場合。
脳は大人になっても、無意識に「機嫌を取らせてくれる人(=不機嫌で高圧的な人)」をセンサーで探し出し、引き寄せます。

なぜなら、それが脳にとって「慣れ親しんだ(対処法を知っている)安全な世界」だからです。
ハチが蜜に吸い寄せられるように、あなたの脳が「不幸の蜜」に吸い寄せられているのです。

この「自動追尾システム」を解除しない限り、転職しても離婚しても、キャストが変わるだけで同じドラマが再演されます。

では、どうすればこの負のループを断ち切れるのか?
多くの人が陥る「ある勘違い」について、次のページで解説します。

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